2008年07月24日

臨床心理士の試験について

 前述の通り、試験実施団体は日本心理療法士資格認定協会であり、受験資格は指定大学院を修了した者、それが第2種であった場合規定通り1年以上の実務経験を積んだ者、またあるいは、医師の免許を有する者で2年以上臨床心理を実践したと認められる者、です。
 試験は年1回一次試験と二次試験とに分けて行われます。一次試験に合格しなくては二次試験を受けることは出来ません。一次試験は10月頃に行われ、会場は東京ビッグサイトが使われます。一次試験では、午前は学科や法律、事例などを問うものでマークシートでの選択方式で100問を2時間半掛けて解答するもの、午後では1,000文字以上1,500文字以内での論述を1時間半で作成するものがそれぞれ出題されます。合格の基準については公には公表されていませんが、午後の論述の内容は一次試験の合否判定には直接は関係ないと言われています。
 二次試験は面接で11月に東京国際フォーラムで行われます。前述の通り一次試験に合格しなければ受験することは出来ず、また、前年に一次試験に合格したものの二次試験で不合格となった場合でも、一次試験免除制度などはない為、再び一次試験からやり直しとなります。なお、一次試験の午後に行われた論述で作成したものは二次試験において綜合判定資料として使われると言われています。
 日本臨床心理士資格認定協会の発表では、平成18年度までの合格者数は16,732名であり合格率は6割程度であるとされています。
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日本臨床心理士資格認定協会について

 日本臨床心理士資格認定協会は、文部科学省所管の公益法人であり、財団法人です。臨床心理士の資格認定に関する様々な業務を担っており、設立は1988(昭和63)年です。
 主たる業務は資格試験、正しくは資格審査と称します、の実施です。開催時期は毎年秋の10月11月に行われてきました。また、この試験を受けるのに必要な受験資格として、協会が指定した大学院の専攻(コース)の修了や、その後の実務経験の確認などがありますが、それらもこの試験実施の範疇に入ります。なお、この指定大学院についても同協会による審査があり、国公立私立を問わず、第1種第2種の区分が行われています。この審査は毎年行われ第2種であった大学院が新たに第1種に変更になった例もあります。
 それ故に、試験開催の3ヶ月前から様々な証明が必要となり、この試験の受付期間は7月中旬から9月初めまで、と比較的長くとられています。これは、修了証明のみで済む第1種指定大学院以外に、修了後1年間の実務経験を義務付けている第2種指定大学院修了者や、医師免許所持者で2年以上の臨床心理業務経験を持つ者、という審査資格を利用する者に対して、申請内容が正しいものかを実際に実習を行った機関に問い合わせたり、就業者であれば、就業記録の確認などを通じて行っているものと思われます。
 また、臨床心理士の資格は5年を期限に更新を義務付けているので、それらの期限更新のための研究会の実施や研修制度なども整備しています。
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臨床心理士の求人、募集について

 臨床心理士に限らず、カウンセラーなど心理職の類の需要は様々な場所で発生し得るものです。まず最初に思い浮かべるのが、病院の心療内科などでのカウンセリングなどではないでしょうか。また、制度化が始まったスクールカウンセラーを例に引くまでもなく学校も挙げられますし、企業などでもストレスで心身を病む人は多いですから、その方面でも必要とされるでしょう。あるいは、高齢者施設や障害者施設、児童相談所などの福祉方面も考えられます。とはいうものの、常にそれらの場所に求人が必ずしもあるとは限りません。
 病院ではカウンセラーよりもまず精神科医などが居て、そちらの方でカウンセリングも事足りてしまっていることもあり得ますし、スクールカウンセラーの制度が出来たとはいえ、その就業実態は非常勤がほとんどで、なかなか安定した仕事とは言えなそうです。また、福祉関係となると大概そういった施設は公共機関であるので、そうなると公務員としての就業ということになり、これもまた募集があるかどうかは不安定ですし、大学院まで修了した後に更に公務員試験となるとその対策も大きな負担となることでしょう。
 この臨床心理士はあくまで民間の資格ですから、いくら知名度が高くともそれを持たない者を排除することの出来る、業務独占などの拘束力は持ち得ないわけです。国家資格化で心理職としての資格に統一されているのであれば、資格そのものが効力を持ち得た可能性もあったことでしょうが、現状では他に幾つかある心理職資格と差別化は難しいかも知れません。

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臨床心理士になるには

 臨床心理士に限らず、いわゆるカウンセラーと呼ばれる心理職を志す人は増えつつあると言われています。ですが、人の心に対して様々なアプローチを行うという仕事はそう単純ではありません。目に見えないというだけではなしに、こうすればこうなるというセオリーが確立されているわけでは決してなく、あくまで統計的に積み上げてきたものを元に探ってゆくことになるわけです。そもそも、心理学という学問が確立されてから100年と少ししか経っておらず、依然この分野は発展途上にあるとも言えます。そういった状況下にあって、心理職としての職務にあたる場合、その人本人の職への適性によるところが大きいというのはある程度致し方ないことなのかも知れません。
 では、どういったことが臨床心理士として重要になるのでしょうか。
 心理士の元に相談に来るクライアントの人々は当然ながら心の問題、その人の内面の問題を抱えているわけですが、そのような場合にまずクライアントの人自身の苦しみを理解できなくてはならないのです。つまり、悩んでいる相手に対して、それが悩みであるということを共感できなくては問題解決に対して行動を取ることは出来ない、という事に他なりません。また、そうやって人の内面に立ち入ったとしても、決してそれに踏み込みすぎることになってもいけません。立ち入り過ぎてしまうと今度はそれがその人の心に対して悪い影響を及ぼしかねないからです。入りすぎず離れすぎずという、心の距離の取り方が出来なくては心理職は難しいことでしょう。

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臨床心理士指定大学院について

 臨床心理士指定大学院とは、資格認定を管轄している日本臨床心理士資格認定協会が定めている資格試験を受験するのに修めることが必須とされている課程を有する大学院のことを指します。かつては、これらの制度の整備が進んでいなかったこともあり、指定された大学院以外で心理学を専攻した者であっても一定の条件を満たせば受験資格を得られていたのですが、今後はこれらの指定大学院修了者にのみ受験資格が与えられることとなります。これらの大学院での専攻では、2年間のカリキュラムにおいて基礎心理学から臨床心理学の実習までカバーされています。
 指定大学院にも2つの区分があり、それぞれ第1種、第2種と分けられています。これは最終的に受験資格を得られるところは同じなのですが、第1種に指定された大学院では修士課程(博士課程前期)を修了してすぐ受験出来るのに対して、第2種では修了後、1年以上の実務経験を積まなければ受験資格を得ることが出来ないとされているものです。
 同協会によれば2007(平成19)年5月1日現在で、第1種では国公立で30校、私立で99校の合わせて129校が、第2種では同じく国公立16校、私立11校の合わせて27校が指定大学院となっています。ちなみに、特定のキャンパスがなく大部分が放送により講義で授業が行われる通信制の大学として知られる放送大学の大学院の当該コースも、第2種ではありますが指定大学院の一つに数えられています。


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臨床心理士の資格について

 2005(平成17)年に臨床心理士などの心理職の国家資格化についての議論が起こりましたが、結局法案が通ることはなく、国家資格化についての結論は先送りとなっています。といった事例をわざわざ引くまでもなく、臨床心理士はあくまで民間の認定資格です。
 資格認定を行っているのは、日本臨床心理士資格認定協会という文部科学省公認の財団法人です。同協会による資格認定が始まったのは1988(昭和63)年であり、資格そのものはまだ20年そこそこの歴史しかないことになりますが、学問としての臨床心理学や、それを実際に現場に適用する心理療法家、あるいは心理職と呼ばれる類の実践者は、片や精神科の医師から果ては生活相談所の職員などに至るまで、様々な人々がそれぞれの形で長い間活動していましたから、資格として形になったのが1988年というのは、認定事業の展開としてみれば遅いペースなのではないかという感があります。
 これについては、同協会やその他関連の資料をみる限りでは1970年代に起こった大学紛争の影響や、臨床心理学を巡る大きな論争などがあり、それによって資格制度自体の確立に影響が出て、その後現状に繋がる体系となるまでに更に10余年が掛かったとされています。
 臨床心理士は、こういった資格制度の中では珍しく資格の更新期限があり、その基幹は5年と定められています。これは、特に変遷の幅が大きい臨床心理学という学問を素地としているために、常に専門性の維持を目的として確立されているとされています。

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日本臨床心理士会について

 日本臨床心理士会は臨床心理士の資格を持つ者を対象とした団体で、いわば臨床心理士の職能団体である、と言えます。入会にあたっては臨床心理士の資格が必要ですが、強制ではありません。また、その他の団体でよく見られるような準会員、賛助会員のような制度もありません。
 設立は1989(平成元)年11月1日であり、これは日本臨床心理士資格認定協会が認定制度を創設した翌年にあたります。
 主な活動としては、臨床心理士という資格の為す役割についての広報活動や、臨床心理士の専門性を高めるための研究発表や研修、またあるいは臨床心理士を対象とした賠責保険などといった補償制度の運営などが挙げられます。そして、2005(平成17)年に起こった臨床心理士等の心理職の国家資格制度化についての議論の折にも、ほかの様々な関連団体同様に要望を厚生労働省ならびに文部科学省(日本臨床心理士資格認定協会は文部科学省の管轄下にあります)などの関係省庁や、国会に対して要望書を提出するなどして関わっています。この事から、政治活動主体としての側面も持ち合わせていると言えます。下部組織としては、全国の都道府県の臨床心理士会がそれにあたるでしょう。
 また、日本臨床心理士会が発行する出版物に「臨床心理士に出会うには」というものがありますが、これは全国で臨床心理士によるカウンセリングなどを受けられる方法を網羅したものですが、Web上においても心理相談を受け付けている機関の検索サービスを行っています。

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臨床心理士とは

 臨床心理士とは、一般にはカウンセリング等を行う心理療法家やカウンセラーと呼ばれる職業における資格の一つです。厳密には国家資格ではなく、財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定を行っている民間資格です。
 しかしながら、このようなカウンセリングや心理療法などの職業についての資格は現在では乱立状態にあり、少し調べただけでも大小様々な規模で幾つも見受けられます。そういった資格群においては、例えば学校におけるカウンセラー、スクールカウンセラー制度に重点を置いたと思われるものや、企業などの職場におけるストレス対策に対して特化したと思われるものなど、何とかして特色を持たせようと努力しているものありますが、基本的には取得に際してのハードルの高さや、必要となる専門的知識領域の範囲、また資格としての実効性などはマチマチであると言わざるを得ません。そういった中にあって、乱立している心理職就業者の専門性を裏付ける資格の中では、この心理療法士が最も知名度の高いものである、とされています。
 その資格者数の規模や専門性から、過去幾度となく国家資格化にむけた試みがなされましたが、いずれも調整がつかずに見送られ現在に至っています。
 とはいうものの、心理職関連の資格の中では一番規模の大きいものであるとされているだけあって、様々な場所での資格要件に含まれるなど、資格としての有用性は高く、また資格自体に5年という更新期限を設けていることからも、専門性の高さの維持に対しての姿勢が伺えます。


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